テンポ
Confidenttenpo
tempo; pace
katakana
由来
- 元言語
- イタリア語 (it)
- 元の形
- tempo
- 借用ルート
- イタリア語音楽語 → 日本語
- 意味の変化
- 音楽の速度 → 物事の進み具合
- 最古文献
- 1900
解説
テンポは普遍的すぎて語源など不要に見えますが、意外にも日本語はその「進む速さ」をイタリア音楽から借りました。テンポは Italian tempo、「時間」、音楽では拍の速さです。日本語ではまず音楽用語として入り、そのまま練習室を出て日常会話へ歩いていきました。
面白いのは広がり方です。曲にテンポがあるだけでなく、会議、冗談、会話、仕事の一日、時には関係性にもテンポがあります。テンポがいい は流れが心地よいこと、テンポが悪い は間がもたつくこと。
話のテンポ は話し方の速さとリズムで、文の中に小さな指揮者がいるわけではありません。 歴史の小道具として、ピアノの上のピラミッド形メトロノームを思い浮かべてください。19世紀には Maelzel の名がメトロノーム記号の “M.M.” と結びつきました。
発明譚にはオランダの Dietrich Nikolaus Winkel も登場します。音楽の速さは、機械で測られる専門語だったのです。 日本語はテンポを楽譜の中に閉じ込めませんでした。
時間の中で展開するものなら、流れ、間、速さとして訳せます。音楽室を抜け出した語を知ると、ふつうの日本語にも隠れた楽器が聞こえてきます。