アジト
Confidentajito
hideout; secret base
katakana
由来
- 元言語
- ロシア語 (ru)
- 元の形
- агитпункт / agitpunkt
- 借用ルート
- ロシア語革命運動用語 → 日本語左翼運動語 → 隠れ家を指す俗語へ
- 意味の変化
- 宣伝・扇動拠点 → 秘密の活動拠点・隠れ家
- 最古文献
- 1920
解説
アジトには出所が二筋あります。小学館の精選版日本国語大辞典は1933年、小林多喜二の『党生活者』に「アヂト」という形を引き、英語の agitating point を参考形として記録します。一方で語源由来辞典などは、ロシア語 агитпункт(agitpunkt、宣伝・遊説の拠点)の短縮形ともつなげます。
出所が完全に一本ではない、珍しい語です。 使われ方は1920〜30年代の日本の左翼語彙です。アジテーションをアジと縮め、アジる、アジビラといった派生語を生んだ流れの中で、アジトは労働運動や地下活動で「指導と扇動の場所」を意味しました。
やがて意味は広がり、閉じた集会場、さらには非合法集団のひそかな拠点を指すようになります。アジテーション、アジビラ、アジるといった単語と並ぶ、政治史の語彙群の一員です。 現代日本語のアジトは、英語の hideout より少し色が濃くなります。
組織だった集団、警察の捜索、計画された違法行為などの含みが残り、ゲームや漫画では秘密基地の意味でも使われますが、政治・犯罪のニュアンスは消えていません。「警察がアジトを捜索した」と言えば、それは集団の拠点の話で、たんなる個人の隠れ家ではない響きがあります。