パン
Attestedpan
bread
katakana
由来
- 元言語
- ポルトガル語 (pt)
- 元の形
- pão
- 借用ルート
- ポルトガル語 → 近世日本語
- 意味の変化
- bread → 日本語のパン全般
- 最古文献
- 1600
解説
元の形はポルトガル語 pão(ラテン語 panis に由来)で、多くの辞書がこれを日本語のパンの借用元として挙げます。Priberam は pão を「穀物の粉と水で作った生地をオーブンで焼いた食品」と定義します。日本語版 Wiktionary はこの借用を安土桃山期に位置づけ、ポルトガル人宣教師と商人が小麦パンとキリスト教関連の食品語を日本に持ち込んだ時期に重ねます。
後にカタカナ「パン」が標準となり、まれに使う漢字には麺麭、麪包があります。 この借用は明治の英語食品語の大量流入より古く、英語 bread 経由ではなくポルトガル語経由でした。カステラ、ボーロ、コンペイトウといった他の南蛮語と一緒に入った仲間です。
日本では意味が広がり、ヨーロッパ風のパンから、ベーカリー商品の大カテゴリへと拡大しました。近代になると食パン、あんパン、クリームパン、フランスパン、ロールパン、乾パン、パン粉といった複合語が、店と家庭の食卓に「パン」を生活語として定着させました。 現代のパンは、英語の bread が指さない菓子パンや惣菜パンも含みます。
ポルトガル語 pão は主食のパンや小型ロールに近く、日本語のパンはコンビニのスイーツや惣菜まで指せる広範囲の語です。ベーカリーの看板はパン屋、職人はパン職人。「朝はパンを食べる」は典型的な朝食シーン。
英語 bread は多くの場合に対応しますが、日本語の語末の「ン」がポルトガル語の鼻母音語尾を写している点までは英語訳では伝わりません。